むし歯(う蝕)とは
むし歯(う蝕)は世界で最も多い疾患のひとつであり、歯を喪失する原因として、歯周病と並ぶ二大疾患となっています。わが国ではう蝕は減少傾向にありますが、依然として学童期の乳歯う蝕罹患率は最大で60%を越えており、成人・高齢者においては未治療のう蝕を有する人は3割以上、う蝕経験者は9割を越えています。
むし歯ができるまで
う蝕は歯の硬組織(エナメル質や象牙質)がS.ミュータンスなどに代表されるう蝕病原菌の酸産生により崩壊(脱灰)することで生じます。乳歯や初期う蝕では痛みがなく進行することも多く、自覚症状のないまま細菌感染が神経(歯髄)に達することがある点で非常に恐ろしい疾患といえます。う蝕を予防するためには、その発生因子についてよく知ることが大切です。う蝕は大きく3つの因子、
➀細菌叢(口腔内微生物)
➁食事性基質(糖分の摂取量や間食の回数)
③宿主(歯質や唾液量、健康状態)
が関係して発生します。
むし歯を防ぐためには
歯磨きやデンタルフロスの使用により口腔衛生状態を良好に保つこと、飲料や間食を含む正しい食行動が習慣化されていること、フッ素の活用によって歯質の強化を図ることなどは、確かなう蝕予防効果が期待できます。