森永おくち研究所
● オーラルケア

子どもの口腔機能のお話


口腔機能の重要性

健康寿命の延伸には、健全な口腔機能(食べる・話す・呼吸をする)の維持が欠かせないことは疑う余地がありません。口腔機能が低下した(オーラルフレイル)者は、そうでない者と比較して身体的フレイル、サルコペニア、要介護状態、死亡の新規発生リスクがそれぞれ2倍以上高いという報告があります。しかし、これらは高齢者に限った話ではありません。


口腔機能の発達

そもそも私たちは口腔機能を万全に備えた状態で産まれてくるわけではないのです。誰もが言葉を話せず、唾ひとつスムーズに嚥下する事が出来ない赤子として誕生し、授乳に始まる日々の暮らしの中で徐々に口腔機能を獲得します。“口腔機能を発達させる”とは、形態と機能の調和であり、まさに小児期は歯や口腔の形態変化が大きく、機能の獲得期であることから、口腔機能を健全に発達させることは決して容易なことではありません。子どもたちは常にトライアンドエラー(試行錯誤)の中で「よく噛むこと」「こぼさず食べる事」「口を閉じる事」「正しい発音」「鼻呼吸」などの口腔機能を発達させて成長します。


子どもの口腔機能への注目

近年この小児期(特に、乳幼児期から高等学校を含む学齢期) にかけて、良好な口腔・顎・顔面の成長発育及び適切な口腔機能を獲得し、成人期・高齢期にかけて維持・向上を図っていくことが重要であると、大変注目されています。その子のもつ能力を十分に発揮できるように口腔機能を健全に発達させることは、生涯楽しく食べる≒生きるために重要な健康の基盤づくりだと言えるでしょう。

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