森永おくち研究所


Q1. 子どもにむし歯菌がうつらないように、食器を分けた方がいいですか?

A1.
神経質になりすぎる必要はありませんが、むし歯に感染症という一面があることは事実です。

3歳児において親との食器共有とむし歯との関連性は認められないという研究があります。それ以前にすでに家族から子どもの口腔内にむし歯菌が伝播しているということ、むし歯の成立には歯磨き習慣や食生活など多数の因子が関係していることを知っていることは大切です。

家庭内での感染を完全に防ぐことは困難ですが、家族皆が適切な口腔ケアを行ってむし歯菌を減らしておくことは出来ます。また、お子さんに毎日仕上げみがきをしてあげたり、お菓子の食べ方を気を付けたり、フッ素入りの歯みがき剤・洗口薬を使ったりすることでむし歯は予防することができます。

むし歯菌がうつることを恐れてスキンシップが減ってしまうことはあってはなりません。


Q2. お菓子を食べるとむし歯になりますか?

A2. 
砂糖やでんぷんを含むお菓子はむし歯菌のエサとなるので、むし歯の原因となりますが、無理に禁止することはありません。

①だらだら食べをしない(1日1回、時間を決めて食べる)
②よく噛んで、だ液をたくさん出す
③お菓子(おやつ)を食べた後はできるだけうがいをする

以上のことに気を付けて、おやつの時間を楽しみましょう。

参考ページ:いっしょにまなぶ「むし歯について」


Q3. ジュースは歯にくっつかないからむし歯になりませんか?

A3.
実は、噛んで食べるお菓子よりも、噛まずに飲み込むジュースの方が唾液が出づらいためむし歯になりやすいんです!

ジュースのリスクは、だらだらと頻回摂取になりやすい点や、口の中の歯ブラシが届きにくいところに停滞する点も挙げられます。炭酸飲料やスポーツドリンクなどの砂糖の多いジュースは特にむし歯のリスクが高いため、濃縮還元でないストレート100%ジュースや牛乳などに変えてみましょう。


Q4. むし歯はむし歯菌が歯に穴を開けて起こるのですか?

A4.
むし歯菌が直接歯に穴を開けているのではありません。

むし歯菌が食べカスなどをエサとして酸を作り出すと、口の中が酸性に傾き、歯の表面のエナメル質からカルシウムやリン酸などのミネラルが溶けだします(脱灰:だっかい)。歯が溶けて脆くなると、ついには穴が開いてしまいます。この状態がむし歯です。

脱灰は毎回の食事のたびに起こっていますが、健康な口の中ではだ液のはたらきにより口の中が中性に戻り、脱灰は止まります。さらに、フッ素のはたらきによりだ液中のミネラルが歯に戻り修復されます(再石灰化)。食事の後歯みがきをしてむし歯菌のエサを無くすことで、再石灰化 がスムーズに進行します。

参考ページ:知って続けるオーラルケア「むし歯のお話し」


Q5. むし歯は放っておけば治りますか?

A5.
基本的には治りませんので、歯医者に行きましょう。

歯の表面だけのむし歯(初期う蝕)であれば、フッ素が配合された歯みがき粉剤や洗口薬を適切に使用することで、フッ素と唾液中のミネラルが反応し、溶けだした歯の成分が歯に戻り修復されます(再石灰化)。

寝ている間は唾液分泌量が低下し、むし歯菌が活発になりやすい時間になります。しかし、むし歯菌のエサである食べ物が入ってこないタイミングでもあるので、再石灰化の絶好のチャンスと言えます。フッ素を活用した夜の歯みがきはとても大事です。

参考ページ:いっしょにまなぶ「フッ素について」


Q6. フッ素は体に悪いと聞いたことがあります。フッ素入りの歯みがき粉剤やうがい薬をつかっても大丈夫ですか?

A6.
フッ素(フッ化ナトリウム)が体に悪いというのは大きな誤解です。

市販の歯みがき粉剤や洗口薬、塗布する予防治療などにおいて量、安全性共に全く問題ありません。フッ素は地中や海中にも含まれている物質で、外国ではむし歯予防のために水道水に添加されています。

むし歯予防のためにも、是非毎日取り入れましょう。ただし、小さいお子様には適正量が定められていますので、注意しましょう。




Q7. 子どもに電動歯ブラシを使わせてもいいですか?

A7.
結論から言うと、あまりおすすめしません。

電動歯ブラシは歯への当て方が非常に難しく、正しい磨き方を知っている人でなければ、磨き残しが出てしまいます。正しい歯みがきの手順を知っている大人が仕上げみがき用に使うのであれば効果的なこともあります。


Q8. 舌みがきは毎日しない方がいいですか?

A8.
そんなことはありません。適切な道具の選択と使用方法を守ることが大切です。

舌に白くこびり付いている舌苔(ぜったい)は通常唾液などにより自然に剥がれ落ちますが、口呼吸気味の方は口の中が乾燥し、舌苔が残ったままになり、大人の場合は口臭の原因となります。舌みがきを行うことで口呼吸の習慣に気づくことができるだけでなく、舌の神経を刺激し、動きを活性化させる効果もあります。

ただし、歯ブラシ等で擦ると、強く磨きすぎて舌の上にある味蕾(みらい)という味覚センサーを傷つけるので、絶対に使用しないようにしましょう。


Q9. 親知らずは全て抜いた方がいいですか?

A9.
正常な方向に生えてきた親知らずは抜く必要がありません。

しかし、
①歯ぐきの横から生えている
②歯ぐきから出てきておらず潜ったままになっている
これらの場合は、歯医者にいって診てもらいましょう。

特に①歯ぐきの横から生えている 場合は食べカスが溜まりやすく、歯ブラシが届きづらいのでむし歯の原因になりやすいです。隣の歯を押しのけてしまっている場合は、正常な歯が痛んでしまいますので、抜いた方が良いでしょう。


Q10. 歯医者に行きたくありません。しばらく行っていません。

A10.
是非、定期健診を一度受けに行ってください。

定期健診によりむし歯や歯周病の早期発見に繋がり、みなさんの金銭的、時間的な負担を軽くすることができます。また、正しい歯みがきの方法も指導してもらうこともできます。

多くの人が自己流の間違ったみがき方をしており、正しい方法で磨いている人はほとんどいないのが実態です。いくつになっても自分の歯で食べ続けられるように、定期健診に行ってみませんか。

 


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