森永おくち研究所
● おくちの事情

デンタルフロスや歯間ブラシに関するQ&A

Q1. デンタルフロスと歯間ブラシは何が違うのですか?どちらを使えばいいのでしょうか。

A1.狭い隙間にはデンタルフロス、広い隙間やブリッジ周囲は歯間ブラシ、と使い分けて。
デンタルフロスと歯間ブラシは、どちらも歯ブラシでは届きにくい「歯と歯の間」の汚れを落とすための清掃用具です。デンタルフロスは細い糸状で、歯と歯の隙間が狭い部分の清掃に適しています。一方、歯間ブラシは小さなブラシ状で、歯ぐきが下がって隙間が広くなった部分や、ブリッジの周囲などの清掃に適しています。
ただし、歯間ブラシを狭い隙間に無理に押し込むと、歯ぐきを傷つけることがあります。お口の状態や場所に応じて使い分け、自分に合う種類やサイズがわからない場合は、歯科医院で相談してみましょう。

Q2. デンタルフロス・歯間ブラシは歯みがきの前に使うのが正解といわれつつも、どうしても後に使いたい気持ちになってしまいます… 。

A2. 先でも後でも大丈夫。習慣化が重要です。
デンタルフロスや歯間ブラシは、必ず歯みがきの前に使わなければならないわけではありません。デンタルフロスについては、歯みがきの前に使用すると汚れを落としやすいとする報告もありますが、現在のところ、歯垢除去効果に明確な差は示されていません。米国歯科医師会(ADA)も、十分に清掃できていれば、どちらを先に行ってもよいとしています。
順番よりも、自分に合った清掃用具を正しく、継続して使うことが大切です。「歯みがきの後に使いたい」と感じるのであれば、無理に順番を変えなくても大丈夫ですよ。


Q3. 週何回デンタルフロス・歯間ブラシをすればいいですか?面倒なので毎日は難しいです。

A3.生活に組み込んで、できるだけ毎日使用して。
デンタルフロスや歯間ブラシは、1日1回使用するのが理想です。就寝前の歯みがきとセットにする、使いやすい場所に置いておくなど、生活の中に組み込むと続けやすくなります。また、「全部できなければ意味がない」と考えず、「今日は気になるところを一か所だけ」と思って始めてみましょう。いざ始めると、そのままほかの部分までできることもあります。完璧を目指すよりも、無理なく続けて習慣にしていくことが大切です。

Q4. 痛くて、デンタルフロスを歯と歯の間に入れられません…。

A4.小さく動かしながら、ゆっくりと。
デンタルフロスを強く押し込むと、歯ぐきを傷つけることがあります。前後に小さく動かしながら、ゆっくり通してみましょう。細めや滑りのよいタイプ、ホルダー付きに替えると通しやすくなることもあります。
それでも入らない、いつも同じ場所で痛む・引っかかる場合は、歯石やむし歯、詰め物、歯ぐきの炎症などが関係している可能性があります。無理に続けず、歯科医院で相談しましょう。

Q5. 巻きつけるタイプと、柄がついているタイプどちらがいいのですか?

A5.どちらでも大丈夫です。
正しく使えて、続けやすいものであれば、どちらを選んでも大丈夫です。ロールタイプは歯の側面に沿わせやすく、ホルダータイプは片手で扱いやすいという特徴があります。
お子さんの仕上げみがきでは、口が小さく、保護者が操作するため、ホルダータイプが便利です。子ども用には、粘膜を傷つけにくいよう、持ち手の先に尖った部分がなく、丸みを帯びた形のものもあります。


Q6. 巻きつけるタイプだと、巻きつけた指がうっ血してしまいます。

A6. 指にはゆるめに巻いて、つまんで糸を張るようにして。
フロスは、指がうっ血するほど強く巻く必要はありません。中指にはゆるめに巻き、親指と人差し指でつまんで、糸を張りながら操作しましょう。指への圧迫が気になる場合は、ホルダータイプを使うのもよいでしょう。
歯科医院では、自分に合ったフロスの種類や正しい持ち方・動かし方の指導も受けられます。一度相談してみるのもおすすめです。

Q7. デンタルフロスした後の糸がとても臭いです…。これは正常なのでしょうか?

A7. 過度に心配する必要はありません。
使用後のフロスが臭うことは、珍しくありません。歯と歯の間は酸素が届きにくく、歯垢の中の嫌気性菌が硫化水素やメチルメルカプタンなどの揮発性硫黄化合物(VSC)をつくるためです。これは口腔内細菌の通常の代謝でも生じるため、多くは生理的なものです。毎日の歯みがきと歯間清掃ができていれば、過度に心配する必要はありません。
ただし、毎回強く臭う、特定の場所だけ臭う、出血や腫れを伴う場合は、歯肉炎や歯周炎、むし歯などが隠れている可能性があります。気になる場合は、歯科医院で相談しましょう。

Q8. 子どもは何歳からデンタルフロスをさせたほうが良いですか?

A8. 乳歯列が完成する3歳頃から取り入れてみましょう。
歯ブラシだけでは、歯間部の歯垢を約60%しか除去できませんが、デンタルフロスを併用すると、歯垢除去率は80%以上に高まるといわれています。そのため、小さなお子さんにもフロスの使用をおすすめします。特に奥歯の歯と歯が接する面はむし歯になりやすいため、乳歯列が完成する3歳頃には、仕上げみがきにフロスを取り入れましょう。
小さいうちは保護者が行い、成長に合わせてお子さん自身も少しずつ使い方を練習します。仕上げみがきを卒業する10~12歳頃までに、自分で正しく使えるようになることを目指しましょう。


監修
小林冴子

歯科医師・歯学博士, 鶴見大学歯学部小児歯科学講座勤務。
日本小児歯科学会専門医, 服部幸雄主宰NPO法人協会認定食育インストラクター。
二児の母。趣味は観劇とアウトドア。

合わせて読みたい

すべての記事一覧